2012.07.01 童心に帰って
広大な田んぼに囲まれた大潟村。その田んぼにはどんな生き物がいるのか。
「子どもたちと一緒に探検してみませんか」という観察会が7月1日午前、開催されました。
 大潟村博物館の「博物館教室」の一環として、幼稚園児と小学生を対象にこの観察会は開催されました。

 大潟村「コガムシの会」(今野克久会長)、「大潟の自然を愛する会」(堤朗会長)、「大潟教育委員会」の共催です。観察会は知っていましたが、私は初参加です。「田んぼは農業生産の場であるとともに、多くの生きものの場でもある」という、「田んぼの生き物観察会」に興味を魅かれました。

 午前9時大潟村博物館前に、主に「コガムシの会」と「大潟の自然を愛する会」の会員、県立農業大の学生と子供たち30人が集合しました。観察会は博物館から車で10分ほどの、青々とした県立農業大の田んぼで行われました。ここは「ビオトープ水田」と名付けられ、同大の3年生たちが無農薬・有機栽培で稲を育てたり、草刈り機械の実験をしている実習・実験田です。7年前から「コガムシの会」が、農家を主体とした「生き物調査」として開催してきましたが、数年前から子どもたちを対象に、「大潟の自然を愛する会」と共同で調査を実施するようになりました。

 汚れても構わない服装と長靴に履き替え開会式。「コガムシの会」今野会長のあいさつに続き、「大潟の自然を愛する会」の会員と圃場の管理者でもある同大学の近藤先生から、「自由に田んぼに入ってください。多少稲を踏んでも大丈夫、それが許されるのが大学の田んぼの良さです」とのアドバイスを受け、思い思いに田んぼに入って行き、小さな網で生き物をすくいました。

       県立大のビオトープ水田に集まった参加者たち
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       田んぼに入り網で生きものをすくう
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 田んぼの泥に足を取られながら、喜々として子供も大人たちも童心に帰ったように田んぼで網をすくいます。早速「ヤゴ」「ガムシ」「カエル」などを捕獲した参加者たちが「獲物」を持ち寄ります。そばを流れる放水路からは、「コイ」の稚魚や「オイカワ」などが捕れました。

 1時間半ほどで捕れた生き物を集め、魚類は「大潟の自然を愛する会」会員で男鹿水族館勤務の今西洋平氏と、爬虫類については「秋田自然史研究会」の佐藤福男氏から実に興味深い解説をしていただきました。
放水路で捕れた淡水魚の一種、婚姻色に包まれた「オイカワ」については、県内には生息していなかった魚で、琵琶湖から来た「国内外来魚」だと言う事です。「大陸バラタナゴ」「ワカサギ」なども捕れました。田んぼには「ムツゴ」もいたそうですが、これらの魚類がブラックバスなどに食い荒らされているそうです。

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 次いで話題は、爬虫類、両生類、昆虫などと移ります。
中でも、多数捕れたトンボの幼虫である「ヤゴ」に関する佐藤氏の解説は驚異的でした。
大潟村で良く見かける「アキアカネ」や「ナツアカネ」は、村の田んぼで成虫になり、暑さを逃れて八幡平や鳥海山まで飛んで行き、紅葉が始まる稲刈りの頃また大潟村に舞い戻って来るという事です。

 稲を食べる害虫「イネゾウムシ」「イネミズゾウムシ」「オオミズゾウムシ」の3種類のゾウムシも捕れました。「イネミズゾウムシ」はメスだけで繁殖し、水陸両用の恐るべき大敵です。その他、オスの背中に卵を背負った珍しい「コウイムシ」や、水中で呼吸できる「コガムシ」とその幼虫も観察しながら、興味深い解説に引き込まれてしまいました。


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 緑の絨毯に包まれたような大潟村の田んぼ。
その田んぼの中で繰り広げられる不思議な生き物の世界の一端に触れることが出来ました。大潟村の子供たちにも、もっともっと大勢参加して欲しかったな、と思いました。



 

 
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