連日豪雪に見舞われている雪国秋田ではこの季節、各地で冬の小正月行事が行われています。

 代表的なものとしては、全国的にも有名な横手市の「かまくら」がありますが、それ以外にも様々な催しがあります。
例えば男鹿市の「なまはげ紫灯(せど)まつり」、仙北市西木上桧木内の「紙風船上げ」、大仙市刈和野の「大綱引き」など、枚挙にいとまがないほどで、雪国ならではの地方色豊かな「祭り」でにぎわいます。
 
 私が所属する「大潟村写真クラブ」では毎年この季節、親睦を兼ねて恒例の撮影旅行を実施しています。
今回は、大曲市の「川を渡るぼんてん」、湯沢市の「犬っこ祭り」、横手市の「かまくら」行事などの撮影に行ってきました。当初は10人程の参加予定でしたが、諸事情により最終的には私を含め、3人という少人数での撮影旅行となりました。

 少し長くなりますが、今回はその旅日記です。お付き合いくだされば幸いです。

 午前7時、雪混じりの大潟村を進藤会長が運転する車で出発。
農閑期ならではの、友人同士の気ままな旅の始まりです。秋田道を経て大曲インターで下車。「川を渡るぼんでん」が行われる雄物川河川敷に到着。この頃はぽっかりと一帯が青空に包まれ、先ほどまでの天候が嘘のように晴れ上がっていました。この時は・・・・。

 「川を渡るぼんでん」というのは、街中を「梵天」をかかげた若衆が、「家内安全・町内安全・五穀豊穣」を祈り、42歳、33歳の厄年、還暦などの歳祝いの人がいる家や、新築をした家をはじめ、町内の家々を廻ります。ここまでは他の街でも普通に行われますが、対岸の伊豆山山頂の神社にその梵天を奉納するため、雄物川を渡し舟で渡る独特の行事です。川を舟で渡る情景が雪国の冬の風物詩として、写真マニアには良く知られているようですが、私は始めて見る行事です。

 雪であつらえた舞台に地区毎に「梵天」を手にした若衆がお祓いを受け、モチや菓子などを見物の人達にまきます。大勢の人たちが群がるその光景は、熱気にあふれたものでした。その後、順番に分かれて川船で対岸に渡ります。大勢のカメラマンたちが三脚を立て、そのシーンを撮影していました。

 ほど良い所で撮影を切り上げ、駐車場に戻ろうという時に、にわかに猛烈な吹雪に見舞われました。前を行く人の姿が見えない程の激しい吹雪に、雪国の厳しい自然を身に沁みて感じました。




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 昼食は美郷町六郷。「六郷の湧水」で知られるこの地区には、毎年2月15日に「六郷の竹打ち」という、非常にユニークな小正月行事があります。新聞社のカメラマンとしてかつて取材をしたことがあり、来年は再訪したいと思っています。
進藤会長の提案で、「名水のやかた」にある「源八亭」という屋号の食事処に入りました。「マグロ」の創作料理が人気を呼んでいるそうです。店の作りも凝っていて、好感が持てました。

 「マグロのほお肉ステーキ定食」を各自、そして「マグロのカルビ焼」なども取り食べてみました。
初めて味わうマグロですが、これは大当たりでした。近くへ行った時はまた寄ろう、と思わせるほどの「珍味」でした。
「横手のかまくら」として知られていますが、起源は「六郷」だと言う事です。
六郷では願い事を巻物に書き、竹の先につるして掲げる風習があり、15日の晩にこれを燃やしたところから「六郷の竹打ち」が始まった、と案内ボランティアの方から聞きました。




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 小1時間のドライブで湯沢市の「犬っこ祭り」会場へ。
「犬っこまつり」というのは、約400年も続いていると言われるこの地方の行事のようです。
村々を襲う盗賊がいましたが、湯沢の殿様がこれらを退治し、再び盗賊が現れないよう米の粉で小さな犬っこや鶴亀を作り、家々にお供えをしたのがまつりの始まりとされています。
起源や云われは違いますが、小さな「さっぽろ雪まつり」のように感じました。物産展や馬そりの運行があり、特に小さい子ども達には大人気でした。また雪中バレーボール大会などもあり、雪国の人たちのエネルギーと、冬を乗り越える心意気も感じ取ることが出来ました。        

 最後に訪れた横手市の「かまくら」会場。
行事としての「かまくら」は今日からですが、本番は14~15日。期待した「かまくら」風景には残念ながらお目にかかることは出来ませんでした。撮影を切り上げて今夜の宿泊先へ。市内は祭りの影響で宿が取れず、市街地の山内南郷地区まで足を延ばしました。これがまた大正解!それでなくても豪雪地帯の県南地域。どこへ行ってもどっさりと雪が積もった屋根。まるで雪に閉じ込められているような錯覚を覚えました。




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 南郷地区は、横手市内から20~30分ほど北上方面へ。山道を登った雪深い山の中にあります。
「共林荘」という和風の宿でした。 源泉かけ流しの湯で、泉質の異なる二つの源泉が湧出。それぞれ独自の効能があり、湯沸かし無しの天然温泉という触れ込みです。

 ならばと、夕食前にひと風呂。
二つの温泉のうち「元湯」へ入りましたが、アルカリ硫黄泉の名の通り、微かに硫黄臭が立ち込めていました。泉質もあっさりしている割には温まり満足でした。入っていたお年寄りが「付近ではこの温泉が最高だ!」との事。私もそう思いました。夕食も地味ながら作り手の心が伝わる膳でした。特に「芋のこ汁」は里芋嫌いの私がお代わりしたくなるような味わい!大満足でした。それもそのはず、ここは里芋で有名な「山内」でした。

 撮影旅行のつもりでしたが、各地の珍しい野菜や漬物を買い求め、マグロステーキを味わい、最後は温泉三昧。
食後も入植当時の色々なエピソードに耳を傾け、懇親を更に深め、小さいながらも中身が濃い旅となりました。


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