現在、日本を国賓として日本を訪れているブータンのワンチュク国王とペマ王妃の姿を、ニュースで見る度に心を動かされます。その立居、振る舞いに、何故こんなに引き付けられるのでしょうか。






 ブータンはヒマラヤ山脈の山あいの国ということですが、私は訪れたことがありません。
しかし以前、TV番組などで見たその民族衣装が日本の和服に似ていて、印象に残っていました。

 先月結婚されたばかりの国王夫妻にとって、今度の来日が実質的な新婚旅行だったとか・・・。
若さにもかかわらず、穏やかな表情と奥ゆかしい風情、更に控えめなうちにも思いやりある語り口は、多くの日本人の心を惹きつけました。当然、私もその一人です。
小国でありながら、私たちの琴線に触れるエピソードがあります。

 1989年2月、先の国王が昭和天皇の大喪の礼参列のため、来日した時のことです。
他の多くの国が日本から経済的協力を得るため、いわゆる弔問外交を行うなかで、ブータン国王は大喪の礼に出席して帰国しました。その理由を国王は、「日本国天皇への弔意を示しに来たのであって、金を無心しに来たのではありません」と報道陣に答え、同年には1ヶ月間も喪に服したと言われています。

 「足るを知る」という仏教的価値観の国づくりが特徴で、国内総生産(GDP)に代わって精神的な豊かさを重んじる(GNH)を掲げるブータンのお国柄がしのばれます。

 今回の来日では衆院本会議場で、「不幸からより強く大きく立ち上がることができる国があるとすれば、日本と日本国民だ。これからも平和と安定、調和を享受されますように」と演説しました。

 また国王夫妻は、東日本大震災の被災地、福島県相馬市を訪れ「励ましと親愛の情を示すために来ました」と述べ、「みなさんの中に人格という竜がいます。年を取って経験を積むほど竜は大きく強くなります」とあいさつをしました。

 帰国を前に京都で金閣寺などを訪れたあと、歓迎行事に出席しました。
茶の湯のもてなしの場に国王は、黒の紋付きにはかま姿、王妃は鮮やかな振り袖姿で登場しました。お二人共とても良い着こなしで驚きました。和服姿は関係者に知らされておらず、周囲から驚きと歓迎の声が上がったといのもうなずける話です。

 いわゆるカリスマとは違う、細やかで慈愛に満ちた国王夫妻の物腰に、多くの日本人が好感を持ったはずです。
諸外国の要人が多数来日しましたが、かつてこれほど私たちの心を惹きつけた人物はいなかったように思います。
時に涙がにじむような場面すらあり、随分と癒された思いです。
国王夫妻は明日、帰国します。 
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