琵琶湖に次いで大きな八郎潟を干拓して誕生した大潟村と、隣接する市町村では近年、
八郎湖の水質汚染を大きな問題としています。
 八郎湖に関わる自治体や行政のみならず、多くの地域や市民団体が八郎湖の自然再生に関わり、様々な取り組みを行っています。今日はその「八郎湖の自然再生活動を『環(わ)』でつなぐ市民団体見学ツアー」が開催されました。今年で2回目の八郎湖環境ツアー。このツアーを通し、八郎湖の自然環境に関わる様々な市民グループの活動を知る事が出来ました。

 主催・企画は「環八郎湖市民ネットワーク・NPO法人はちろうプロジェクト」、共催は「秋田地域振興局」。募集定員は100人ですが、稲刈り前の準備作業に追われるこの時期、実際には秋田市や南秋地域の40人に満たない参加者でした。

先ず訪れたのは、潟上市昭和豊川にある里山の棚田、通称「草木谷」。100年前(明治22年)に、聖農・石川理紀之助が農業指導において10年間貧農生活を実践した場所です。荒廃し減反地となったこの場所を、地域の大人や子どもがよみがえらせる「谷津田再生プロジェクト(八郎湖水源地として環境に優しい農業に取り組む)」が、数年がかりで田んぼ事業を継続してきたところです。(秋田花まるっ グリーン・ツーリズム推進協議会HPから)。

 この里山を守る活動をしている「草木谷を守る会」(石川紀行代表)が、「草木谷」の田んぼと「石川翁」について、大きな杉の木を背景に丁寧に説明をしてくれました。ちなみに石川紀行さんは理紀之助の子孫に当ります。「草木谷」は、子供たちが農業に触れて学ぶ学校田と、酒米(秋田サケコマチ)を作っている田など合わせて1町歩あります。石川理紀之助は明治22年から3年間、ここに寝泊まりし実際に生活をしました。「寝ていて人を起こすことなかれ」と説いた翁の草木谷の原点。

 また理紀之助は、一毛作の秋田で農家の副業を奨励しました。理紀之助の「寝ていて人を起こすことなかれ」と説いた大きな石碑は、凍った堤の氷の上を滑らせて運んだとの事です。傍らの庵は、焼失した庵を5時間で復元したところから「5時庵」と名付けられた、などの興味深い話をうかがうことが出来ました。

 次に石川理紀之助の多数の遺著、遺稿、収集物が展示・陳列された「潟上市郷土文化保存伝習館」へ移動。理紀之助の青少年時代から晩年にいたる様々な展示資料を見、説明に耳を傾けました。更に、併設された晩年の「尚庵」、書籍、遺稿を収めた「三井文庫」、凶作、飢饉に備えて玄米などの穀類を保存した「備荒倉」などの「石川理紀之助翁の遺跡」を見学。

 次に、黄色に実った田んぼが果てしなく連なる広大な大潟村へバスで移動。中央幹線排水路近くで、「木炭水質浄化研究会」が水質浄化を目的に村で焼いた炭を利用した「炭いかだ」と、「空芯菜」を利用した水質浄化の現場を見学。
 
その後、参加者お待ちかねの昼食会場である大潟村村民センターへ。「大潟村こがむしの会」が会場を設営し、「大潟村生活学校」の会員が、大潟村産の米と野菜をたっぷり使った「具だくさんカレーライス」を用意してくれました。ご飯はお代わり自由で500円でしたが、空芯菜の煮物、トマトのシロップ漬けのデザート、たっぷりの漬物やミニトマトもあり、ゴザの上にそれぞれに車座になり空腹を満たしました。

 食後は、「大潟村人形同好会」の坂本みほ子さんによる「八郎太郎伝説」の語りを披露。八郎潟や田沢湖をはじめ、各地に伝わる伝承を熱演しました。
 
最終スケジュールは、「廃油リサイクルの会・八郎湖」の石けんつくりの作業場見学。
家庭、学校、食堂などから出る使用済の良質な天ぷら油を回収し、固形石鹸や洗濯粉石けんを作っています。「作業を通して環境問題を見直すきっかけにし、子や孫たちにきれいな八郎湖を残したい」との思いから、「太郎の夢」と商品名が付けられています。

 生活排水や農薬の使用など、まだまだ解決しなければならない問題が山積しています。八郎湖の浄化は、目に見えるような進展はすぐには見込めませんが、名実ともに人も生き物も共生できる八郎湖の実現に向け、自分が出来ることをしなければならないと痛感したツアーでした。



         <草木谷の棚田。稲穂が黄色に染まり、刈入れも真近>
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         大潟村八郎湖の中央幹線排水路に設置された炭筏
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         昼食は大潟村村民センターで。具だくさんの野菜カレーに行列ができた
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         「八郎太郎伝説の語りに耳を傾ける参加者
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